PERの計算方法と株式投資への活用
PERは前述の通り「株価/1株あたりの利益」で計算します。
例えば、株価500円、発行済み株式総数1億株、当期純利益50億円の場合、1株あたりの利益は50円となります。これを株価に割ってやるとでてくる「10」という数字ばPERとなります。
PERの具体的活用法
それでは、計算で求めたPERはどのようにして活用すればよいのでしょうか?
PERはその数字が低いほど、割安感があるとみなされます。単純に考えて、当期純利益がすべて株主に配当されるケースでは、PER10倍では投資資金が10年で全てペイ、PER5倍では投資資金が5年でペイできるという計算となります。そのため、PERが低い会社は投資資金が戻ってくるスピードが早いというわけです。
バリュー投資という考え方はこのPERが小さくて市場に放置されている銘柄が適正値に戻るというのをとる投資法で、このPERが非常に重要になります。
PERは低ければいいのか?
PERは同業他社との比較に使うのがベストです。例えば商社の場合、利益自体が水物(資源価格等に大きく影響されるため)の部分が大きいことから業界平均PERは低めです。対して成長が著しい業界(かつてのIT銘柄)などは利益成長自体が大きい場合今はPERが高くても(40倍でも)、1年後に利益が2倍になるのでしたら、PERは20倍となります。こうした観点から商社とIT会社を比較して商社は割安だから買いというのはナンセンスです。
同一の業界で収益構造が似ている会社間の比較に使うとよりPERは効果的に使うことができるでしょう。
PERの注意点
赤字企業の場合、PERは計算できません(マイナスになる為)。そのため、赤字の会社は通常PERは「0」と表示されます。また、PERが低い場合でも名目上PERが低くなる場合があります。
例えば、潜在株の存在です。優先株などの潜在株はPERの計算に組み入れられないケースがあり、この場合PERは潜在的な株式まで含めて再計算してやる必要があります。
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